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2004.03.31

『最強のブー』

 ゲームの話をはじめると興奮のあまりどもりが入るのが俊文の特徴だ。
「もうね、もうね、最強。最強。ペトロフォグ」
 やばい、今日は興奮しすぎて何を言っているのかほとんどわからない。でもその熱意は痛いほどに伝わってくる。だから、ぼくも俊文を「じゃけん」にはできない。
「盲目の剣士ね、盲目の。そいつが使う技なの、ペトロフォグ。石化ガス、石化」
 今やっているゲームの説明を身振り手振り混じりでしてくれているのだが、ぼくは正直よくわかっていない。新しく仲間になったキャラクターが異様に強いらしく、そのことを伝えたくてたまらないらしい。
「わけわかんねーよ、何だよペトロフォグって。どういう技?」
「あのね、カウンター。敵の攻撃を察知してひらっとかわして、攻めてきた相手に逆に石化ガス。ガスを浴びせる。ブーって。高木ブー」
 ついでに彼はお尻をつきだして片手をその後ろでグッパさせた。なんだか知らないけど、意味不明におもしろかったのでぼくは爆笑してしまった。涙を拭きながら、
「物理攻撃に対するカウンター? 名前からして魔法系だと思ったけど」
「違う違う。魔法にはカウンターしない。ニンジャの二刀流の攻撃でもかわすぜ、すごいカウンター。攻撃してきた敵のほうが石になる。他山の石ってやつ」
「他山の石の使い方間違ってるよ!」
「そ、そうだっけ? でもおもしれーよ、ペトロフォグ最強。俺たぶん半分くらいのところに来てるからさ、全クリしたら安見にも貸すよ」
「サンキュー。楽しみにしているぜ、高木ブー攻撃」
 ぼくが借りた後、このゲームは友達の間をだいぶ回ったけれど、渡すときに必ず次の人に例のポーズをしてから渡すのが「おきて」になった。

-了-


主人公の名前がちょっとしたお遊びになっていますが、気づく方はいらっしゃるでしょうか(^^;>
『タクティクス・オウガ』というゲームをご存じで、ちょっとゲーム業界に詳しい方なら気づくかも……。
(友人もけっこう業界に多いので、つい遊んでしまいました)
また、毎回毛色を変えたものを書きたいと思っているのですが、そろそろ無理が生じてきたような気がします。
でももうちょっとがんばってみようかな~?

(『作家でごはん!』【三語即興文in鍛練場】投稿作品
 ルール:「最強」「盲目」「他山の石」 追加ルール:お題の各単語を二回以上使う)


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